『ダーウィンが来た!』コアジサシの放映を終えて

2020年12月3日未分類

,11月29日にNHK総合でダーウィンが来た!でコアジサシとその保護を行うリトルターンプロジェクトの保護活動が特集されました。

https://www.nhk.jp/p/darwin/ts/8M52YNKXZ4/episode/te/P1VXMNRW3Z/

コアジサシは僕の故郷である小田原市の鳥です。毎年、5月ごろに神奈川県西部を流れる酒匂川の中洲で繁殖していて、オーストラリアと日本を行き来することから、僕にとってとても思い入れのある鳥です。バードウォッチングのバの字も知らないような双眼鏡を買ってもらえるような裕福な家庭に生まれず、昆虫採取や魚獲りや釣りに夢中だった小学生の頃、初夏に泳いで中洲でまで行くと、100羽を超えるハトよりも小さな白い鳥に威嚇され、足元に小さな卵を見つけて踏まないように友達と慌てて逃げた記憶が残っています。

今回、様々な出会いがあって撮影に今回撮影クルーとして、撮影に携わらせていただきました。当初は酒匂川のコロニーも紹介する予定でしたが、2018年に約40羽を巣立たせたのち、2019年は初夏の大雨で中洲が水没し、2020年は6月に1巣があったのみでロケには至らず(それも雨による増水で流されました)。近年6〜7月に多発する大雨豪雨災害はコアジサシにとっても大問題です。

300羽以上が集まった千葉県某所で繁殖したコロニーも繁殖期中盤にノネコが侵入し、雛や若鳥が虐殺され、成鳥の数も減り、そこにカラスの侵入もあって打撃を受けてしまいました。同地で撮影も行ったのですが、番組内での紹介に至らず、保護活動をしている方達には申し訳ない気持ちです。日に日に卵や雛が少なくなっていくのは本当に悲しかったです。各地でコロニーが壊滅した影響で、渡り前に三番瀬に集結すした群れの中でも巣立った若鳥の確認はなんと40羽居ないほどのわずかな数でした。過酷な旅を経て日本にやってきて繁殖するコアジサシにとってこれは機器的状況です。

ロケ地選びも難航し、テレビで紹介された森ヶ崎のコロニーも今年は壊滅的な状況でした。※詳細はリトルターンプロジェクトの営巣結果をご覧ください。

少し前はありふれた鳥だったのにここ数年で数が激変しています。

コロナ禍で今年はボランティアスタッフも経験者に限られました。今回のダーウィンが来た!を見て、コアジサシに興味を持つ方が増えて、来年は多くの人に保護活動に参加していただけら嬉しいです。